なぜ行政は結果より手続きを大事にするのか
~「正しいやり方」でなければ成果も無効になる理由~
行政と一緒に仕事をしていると、「なぜこんなに書類が多いのか」「なぜ結果が出ても手続きの不備でダメになるのか」と感じる方は多いはずです。
補助金の審査、公共工事の入札、地域イベントの助成金――どれも“手続き”が中心。
実際、行政の現場では、どれほど良い成果を上げても、手続きに誤りがあれば「取消」や「無効」とされることがあります。
なぜ行政はここまで手続きを重視するのでしょうか。
行政の一番の目的は「公平さを守ること」
税金を使う、許可・補助金を出す――こうした判断が担当者の主観や感覚で左右されれば不公平が生まれます。
「特別扱いでは?」という疑念が生まれれば、行政全体への信頼が揺らいでしまいます。
だからこそ行政は“正しい手順を踏むこと”を最優先にします。
手続きを厳格に守ることで「誰がやっても同じ結果になる」仕組みをつくり、公平性を担保しているのです。行政にとって“正しいプロセス”とは、公平さを保証するための最も重要なルールです。
「法律に基づく行政」という大原則
行政には「法律(憲法・法律・政令・条例・規則・要綱など)に書かれていないことはできない」という原則があります。
たとえば補助金なら、申請 → 審査 → 決定 → 交付 → 実績報告 → 検査という流れが細かく定められています。
どれほど成果が出ていても、この順序や様式を飛ばすと「違法・不当な支出」と判断される可能性があります。
民間では柔軟さが通じる場面もありますが、行政では通用しません。
それでも行政が「早さ」より「正しさ」を選ぶのは、公平性と説明責任を守るためなのです。
手続きは“信頼”を積み上げる仕組み
行政の手続きは単なる形式ではありません。
補助金の申請・契約・報告における期限・様式・手順は、仕事の“成果の一部”です。
優れた提案や実績でも、報告が遅れたり添付資料が不足していれば、評価されないどころか返還を求められることもあります。
だから行政と関わる民間企業には、「結果を出す力」だけでなく「ルールを守り、丁寧に進める力」が求められます。
それでも、最後は“人と人”
行政職員ももちろん人間です。
公平性・法令遵守・説明責任という背景を理解し、誠実に取り組む姿勢は必ず伝わります。
相手の立場を理解して丁寧にコミュニケーションを重ねれば、強固な信頼関係へとつながります。
正しいやり方で、良い成果を。その両立こそ、官民連携を長く続ける近道です。
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