COLUMN コラム

自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません

自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません

 

自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません
~自治体営業で最初にやるべきことは、資料作成より前にあります~

 

「自治体営業を始めたい」
「自治体に提案したい」
そう考えたとき、多くの会社がまず取りかかろうとするのが提案書づくりです。
自社の強みを整理して、実績をまとめて、サービス内容を見せやすくする。これは一見すると正しい動きに見えますし、民間営業であれば自然な流れでもあります。

ただ、自治体営業では、ここから始めるとうまくいかないことがあります。
なぜなら、相手のことを十分に知らないまま作った提案書は、どうしても自社中心になりやすく、行政の課題やタイミングとずれやすいからです。
その結果、資料は立派でも、話が深まらない。面談はできても、その先につながらない。そうしたことが起きやすくなります。

自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません。
本当に最初に必要なのは、相手のことを知り、地域課題を見て、自社がどこで役立てるのかを整理することです。
この順番を押さえるだけで、自治体営業や行政営業の進み方はかなり変わってきます。

 

目次

1. いきなり提案書を作ると自社中心になりやすい
2. 先に見るべきは自治体の課題とタイミングである
3. 自社の強みは自治体の文脈に合わせて整理する
4. 最初の一歩は情報収集と接点づくりから始まる
5. 自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません

1. いきなり提案書を作ると自社中心になりやすい
自治体営業を始めようとした会社が、最初に提案書づくりへ向かうのは自然なことです。
提案書があれば説明しやすいですし、準備している実感も持ちやすくなります。
ただ、ここで一つ問題があります。相手の状況を十分に見ないまま作った提案書は、どうしても「うちには何ができるか」の説明に寄りやすいのです。

もちろん、自社の強みを整理することは大切です。
ですが自治体・行政が知りたいのは、それだけではありません。
その内容が地域のどんな課題に関係するのか、住民にどんな価値があるのか、今の施策や方針とどうつながるのかを見ています。
そこが曖昧なままだと、提案書があっても自治体・行政の文脈には乗りにくくなります。

つまり、提案書づくりを最初の仕事にしてしまうと、準備しているようでいて、実は相手に届く形から遠ざかってしまうことがあります。
自治体営業では、資料づくりの前にやるべきことがあるのです。

2. 先に見るべきは自治体の課題とタイミングである
提案書を作る前にまず見るべきなのは、その自治体・行政が今どんな課題を抱え、どのテーマに関心を持っているかです。
高齢化、交通、子育て、観光、産業振興、防災、人手不足、地域経済の活性化など、自治体・行政が向き合うテーマは幅広くあります。
またその中でも、地域ごとにより細かな課題があります。例えば観光分野では、観光資源の増加・磨き上げや、観光交通の問題、インバウンド向けプロモーション、地域としての観光地マネジメント、オーバーツーリズムなど、地域によっていま解決すべき課題が異なります。
その中で、自社がどこにどのような接点を持てるのかを見極めなければ、提案はどうしても一般論になりやすくなります。

また、自治体・行政には独特の時間軸があります。
計画策定、予算編成、庁内調整など、年度ごとの動きなどがあるため、内容が良くても「今ではない」ということは珍しくありません。
そのため、何を提案するかと同じくらい、「いつ話を持っていくか」が重要になります。

自治体営業で大切なのは、立派な提案書を先に作ることではなく、相手の課題とタイミングを先に読むことです。

ここが見えている会社ほど、その後に作る提案も現実に合ったものになっていきます。

3. 自社の強みは自治体の文脈に合わせて整理する
自治体営業では、自社の強みがあるだけでは足りません。
その強みを、自治体の仕事の中で意味のある形に整理し直すことが必要です。

たとえば、民間では「業務効率化」「売上向上」「新規顧客獲得」といった表現が自然でも、行政にはそのままだと伝わりにくいことがあります。
そこで、「職員負担の軽減」「住民サービスの向上」「地域内経済への波及」「交流人口の拡大」といった形に置き換えることで、自治体の文脈に接続しやすくなります。

この整理をしないまま提案書を作ると、内容は良くても民間向けの営業資料のように見えてしまうことがあります。
反対に、相手の課題と自治体の言葉に合わせて整えられた提案は、担当者にとっても理解しやすく、庁内で通りやすくなります。

つまり、最初に必要なのは提案書の見た目を整えることではなく、自社の強みをその自治体の文脈で語れるようにすることなのです。

4. 最初の一歩は情報収集と接点づくりから始まる
自治体営業の第一歩として現実的なのは、提案書づくりより、情報収集と接点づくりです。
総合計画、重点施策、予算概要、議会資料、公募情報、各課の取り組み(報道発表)などを見れば、その自治体が何を重視しているかのヒントはかなり見えてきます。
まずはそこを知ることで、自社がどこで役立てるかを考えやすくなります。

さらに、説明会、意見交換会、地域の公開イベント、関係団体の集まりなどに出ることで、小さな接点をつくることもできます。
この段階では、完成した提案書を持ち込むより、地域課題について話を聞くこと、現場の情報を共有することの方が意味を持つことも多いです。

自治体営業では、最初から完成品を持っていく必要はありません。
むしろ、相手を知りながら少しずつ話の土台を作っていく方が、後の提案も通りやすくなります。
最初の一歩は、資料提出ではなく、理解と接点づくりなのです。

5. 自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません
ここまで見てくると、自治体営業の最初に何をすべきかはかなり明確になります。
いきなり提案書を作るのではなく、まず相手の課題を見る。タイミングを見る。地域課題との接点を考える。自社の強みを自治体の文脈に合わせて整理する。小さな接点をつくる。
この順番があるから、その後の提案が届きやすくなります。

提案書は不要なのではありません。
むしろ、自治体営業において提案書は大切です。
ただし、それは最初の一歩ではなく、相手理解や準備の積み重ねの後に作る方が強いということです。

自治体営業の第一歩は提案書づくりではありません。
最初に必要なのは、相手と地域を知り、自社がどこで役立てるかを見つけることです。
この発想を持てる会社ほど、自治体営業や行政営業で無理なく前に進みやすくなります。

そして、そうして整えられた提案書は、単なる説明資料ではなく、行政の仕事に接続する現実的な提案へと変わっていくのです。

 

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