COLUMN コラム

官公庁・自治体事業拡大への道5 ~見積り・財務課ヒアリング~

官公庁・自治体事業拡大への道5 ~見積り・財務課ヒアリング~

前回は提案活動についてお話ししました。提案を進め、予算化を経て、発注に至るまでに乗り越えないといけない壁として、今回は見積りと財務課ヒアリング対応についてお話しします。

見積り提出の3つのポイント

自治体への提案活動を進めていくと、必ず求められるのが「見積り提出」です。
『見積書をいただけますか?』と言われると、提案が軌道にのっている証拠。嬉しくなるものです。
ですが一口に「見積り」といっても、その時期によって役所が求めているものは違いがあります。
①提案初期の概算見積り
 春先頃に、提案を始めてすぐに「概算費用を教えて下さい」とか「ザックリいくらか教えて下さい」という形で金額を聞かれることがあります。この段階では、そもそもこの提案事業を予算要求に向けてブラッシュアップしていくべきかどうか、検討を進めるかどうかを判断するために、全体金額がおおよそどのくらいのものか知りたいということです。従って、内訳や細かい条件などはさておき、全体額をまず知りたいという思いで聞いています。
 「検討を進めるかどうか」の判断材料にするということなので、「この金額をかけて、何を達成しようとするのか?」がポイントになります。それが役所の施策として『やる価値がある!』と感じてもらえれば、ここからが内容の検討になっていきます。この金額をスタートとして、もし金額が大きすぎる場合には、事業の対象範囲を少し絞ったり、事業の手法を変えてみたりして、事業の内容を深掘りしていくことになります。
②予算取り見積り
 提案が進んでいき、「誰が・いつ・どこで・何を・どのように」行うのか、事業内容の検討が進んでくると、予算取りの準備に入ります。夏~秋頃です。ここでいよいよ「正式見積りを下さい」という聞かれ方をします。
 財政課に予算案として提出するために、詳細な内訳付きの見積書が求められます。そしてこのあと財政課に提出してから、あとで説明する「財政課ヒアリング」があるため、そこで細かい問い合わせがくることも予想されます。従って、もし過去に見積りを出したことがあればそれとの整合性を問われたり、一般的な相場より高いものはなぜ高いのか理由を問われたりしますので、しっかりと理屈を説明できるものを出す必要があります。
 また、原課から財政課に予算資料として提出されるため、正式な社印押印版のものが求められます。
③入札前見積り
 3月議会を経て、無事に予算化されると、いよいよ発注準備に入ります。原課から会計課・契約課の方に発注仕様書など資料一式が回されて、会計課から発注となりますが、ここで改めて会計課として見積りを取ることがあります。これは、会計課としてその時点での最新の金額確認と、企業側の契約意思を確認し、「いざ入札してみたら誰もその金額で入札してくれなかった」ということを防ぐためです。
 従って、ここで出す見積りは「その金額で契約してもいいですよ」というひとつの意思表示になりますので、見積依頼書(=仕様書)の中身をよく確認し、納期なども含め、実現不可能な内容がいつの間にか含まれていないか十分チェックした上で見積りを出しましょう。もちろん正式な社印押印版の見積りを提出します。
注意しておくこと
民間の取引では、見積りを出したらそのまま注文書がくるということもあり得ますが、自治体の場合は当たり前ですが必ず入札があります。そして見積書も、基本は3社分取得します。従って、勝負のタイミングはあくまでその後の入札だということを忘れないようにしてくださいね。

財政課ヒアリング対応

 話は少し戻り、秋頃に原課から予算案が財政課に提出された後は、財政課が各予算案の中身を精査する期間に入ります。首長から出された予算編成方針に沿って、予算額全体が枠の中に収まるように、各予算項目を査定していきます。そこで財政課から各原課に対して、ヒアリングを行い、その予算の中身について詳細な説明を求めていきます。これが「財政課ヒアリング」です。
 この財政課ヒアリングでは様々なことを聞かれますが、ポイントになるのは以下のような項目です。

 もちろん原課ではおおよそ聞かれそうなことは想定し、これまで提案を進める中である程度準備はしていますが、上図のような項目で答えられないものについては提案者(企業)に問い合わせます。ですので、企業側も問い合わせが来そうな項目については参考資料などをしっかり準備しておく必要があります。(この財政課ヒアリングでは問い合わせから回答期限までが非常に短い(数日)ことが多いため)
 そして、この財政課ヒアリングでしっかり質問に答えないと、予算が削減されたり、場合によっては「ゼロ査定」となって全く予算がつかなかったりしますので要注意です。逆に、ここでしっかり原課をサポートしてあげることで、信頼関係も構築でき、「頼れるパートナー」となっていくことができるのです。

まとめ

さて本日は
・見積り提出の3つのポイント
・財政課ヒアリング対応
についてお話ししました。いずれも、自治体側からはどの見積り段階なのかとか、財政課ヒアリングが始まったとか、詳しい説明は無いことが多いですので、こちら側で役所の動きを理解して進めることが必要になりますし、そこを理解して動いてくれる事業者のことは頼りにしてくれます。ぜひ頭に入れておいて提案を進めていきましょう。

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